「業務上過失致死傷」知っておきたい責任

家族を守りたい
先生、「業務上過失致死傷罪」って、自動車事故を起こした時だけに使われるようになったんですか?

防災研究家
いい質問だね!実は、2007年の法改正で「自動車運転過失致死傷罪」ができたけど、「業務上過失致死傷罪」自体は今も存在するんだ。

家族を守りたい
え、そうなんですか?じゃあ、どんな時に「業務上過失致死傷罪」になるんですか?

防災研究家
例えば、工事現場で作業員がクレーン車の操作を誤って落下させ、通行人に怪我をさせてしまった場合などが考えられるよ。自動車事故以外でも、仕事中の不注意で人を死傷させてしまった場合に適用されるんだ。
業務上過失致死傷とは。
「業務上過失致死傷」とは、仕事中に必要な注意を怠ったために、人の死亡や怪我を引き起こしてしまうことです。特に、自動車の運転中に発生する事故でよく使われる言葉でした。
以前は、運転中の過失事故で人を死傷させてしまった場合、「業務上過失致死傷罪」が適用され、最高で懲役5年の刑罰が科せられていました。しかし、2007年6月12日の刑法改正により、新たに「自動車運転過失致死傷罪」が施行され、最高刑は懲役7年へと厳罰化されました。
この「自動車運転」には、仕事で車を使う場合だけでなく、通勤、買い物、食事、レジャーなど、あらゆる目的の運転が含まれます。さらに、「自動車」には、オートバイや原動機付自転車などの二輪車も含まれる点に注意が必要です。
「業務上過失致死傷」とは?

仕事に従事している際に、不注意や注意義務違反によって、他人を死傷させてしまうことがあります。このような場合に問われる可能性があるのが、「業務上過失致死傷罪」です。
これは、業務に関連した過失によって、人の生命や身体を害してしまった場合に適用される犯罪です。業務の内容と過失行為の間に因果関係があることが問われます。
自動車運転と業務上過失致死傷

自動車の運転は、ほんのわずかな不注意やミスが重大な事故につながる可能性を秘めています。特に、業務中の運転においては、私的な運転と比べてより一層の注意義務が求められます。ここでは、業務中の自動車運転に焦点を当て、業務上過失致死傷罪が問われるケースや、運転者が負う責任について解説します。
業務中の運転には、会社の指示による顧客訪問や、商品配送など様々なケースが含まれます。これらの業務中に、運転者の不注意によって事故を起こし、死傷者を出してしまった場合、「業務上過失致死傷罪」が適用される可能性があります。
業務上過失致死傷罪は、通常の過失致死傷罪よりも重い刑罰が規定されています。これは、業務中の事故は、企業の社会的責任にも関わる可能性があり、私的な事故よりも重大であると判断されるためです。
業務中に自動車を運転する際には、安全運転を心がけることはもちろんのこと、交通ルールを遵守し、周囲の状況に常に気を配ることが重要です。企業としても、ドライバーに対する安全運転教育の実施や、運行管理体制の整備など、事故防止に向けた取り組みが求められます。
2007年の法改正で何が変わった?

業務上過失致死傷罪は、業務中に注意義務を怠ったために人を死傷させてしまった場合に問われる罪です。2007年、この罪に関して大きな改正が行われました。
改正のポイントは、大きく分けて二つあります。一つは「法定刑の引き上げ」です。以前は「50万円以下の罰金」が上限でしたが、改正により「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」に引き上げられました。これは、業務上の過失による事故の重大性を踏まえ、責任をより重く問う必要があるという社会的な要請に応えたものです。
二つ目は「公務員や企業などの法人に対する処罰規定の新設」です。従来は、過失責任を負うのはあくまで個人とされていましたが、組織全体の責任を明確化するため、法人にも罰金刑を科せるようになりました。
この法改正により、企業や組織には、従業員への安全教育や労働環境の改善など、事故防止に向けたより一層の取り組みが求められるようになりました。
「自動車運転過失致死傷罪」の範囲

業務中の事故で人を死傷させてしまった場合、「業務上過失致死傷罪」に問われる可能性があります。ただし、業務中の事故であっても、「自動車運転過失致死傷罪」が適用されるケースも少なくありません。
自動車運転過失致死傷罪は、業務の有無に関わらず、自動車の運転に起因する事故で人を死傷させた場合に適用される罪です。そのため、業務中に車を運転していて事故を起こし、相手を死傷させてしまった場合は、業務上過失致死傷罪ではなく、自動車運転過失致死傷罪が適用される可能性が高いと言えるでしょう。
例えば、会社員の営業担当者が顧客訪問中に交通事故を起こしてしまった場合などが、このケースに該当します。
どちらの罪が適用されるかで、法定刑も異なります。業務上過失致死傷罪よりも自動車運転過失致死傷罪の方が、重い刑罰が定められています。業務中に自動車を運転する機会が多い方は、それぞれの罪についてしっかりと理解しておく必要があるでしょう。
安全運転への意識を高めよう

車を運転する仕事をしている場合、事故を起こさないように安全運転を心がけることは当然の義務です。しかし、仕事中の運転には、プライベートな運転よりもさらに高い注意義務が求められます。なぜなら、業務中の事故は、自分だけでなく、会社や同僚、そして全く関係のない第三者にまで重大な影響を及ぼす可能性があるからです。
業務上過失致死傷罪は、業務中に注意を怠り、過失によって人を死傷させてしまった場合に適用される罪です。これは、単なる交通違反とは異なり、刑罰が科される可能性もある重い罪です。そのため、日々の業務の中で、安全運転に対する意識を常に高く持ち続けることが重要です。
